脱毛症と言う言葉をご存じですか。
髪の毛が抜ける病気です。
原因は様々ですが、多くの場合原因が推測の域を出ず、治療も確定しないものが多い難しい病気です。皮膚科の医師も可能性の高い物から治療を進めていきますが、正直なところぱっと治るものではありません。通常時でも一ヶ月せいぜい1〜2cmしか伸びない髪の毛です。治療効果が現れて髪が生えてきても、生えそろうには数ヶ月かかります。
生えてきても抜けてしまうこともありますし、数年サイクルで短い毛が生えてきては抜ける事もあるし、突然生えてくることもあります。髪の毛が生えていることが普通と思っていますが、本当は絶妙なバランスの上に生えているのですね。
髪の毛が無くても機能上は命に別状無く、生きていくことが出来ます。髪が抜けてしまっても、それが原因で心臓が止まることは考えにくいです。でも、死にたいくらいの気持ちになります。
「脱毛症は命に関わらないけど、ガンの人はいいなとおもう。原因もあって、治療のために一時的で、その後生えてくる。世の中の人も優しい。私たちはハゲとかズラなんて言われて笑いものにされる。この不公平は何だろう。」何人もの脱毛症の患者さんから言われた言葉です。
病気や不自由の程度を比べても仕方ないことは、ご本人もよくよく解っています。それでも言いたい気持ちになるのです。
世の中にはいろんな不便があるものです。
まったく、腹立たしい。
それでも毎日を生きていくためには、この状況を受け入れて、どう生きていくのか新しい方法を模索します。髪が抜けている自分も自分。それをどうカバーするのか、一緒に考えますよ。