骨髄移植のこと、ご存じですか。
私も医療者としては中途半端な知識なので、間違えがあればご指摘ください。
移植と行っても骨を削ってはめ込むのではなく、ドナー(提供者)から注射器で抜き取った骨髄液を、患者さんには腕から点滴します。
見た目は、普通の点滴と同じ。
それが身体を巡って不思議なことに骨髄があるべきところに定着し、新しい血液を作り出します。
もちろん困った副作用が出る可能性もあるのですが、副作用がでないようにお薬を使いながら定着するまで待ちます。
定着して、日常に戻っていくと、お薬も定期受診もなくなります。
本当にその人の骨髄になるのです。
ミラクルでしょう。
自分の骨髄で誰かの命が救えるなんて、すごい。
しかし、ドナー(提供者)にもリスクはあります。健康な身体に麻酔をかけて針を刺す。休暇を取る。それなりの覚悟も必要です。やると決めたら患者さんは前処置といって、大量の抗がん剤を打ち、免疫をゼロに近づけます。そうしたら、もう後に戻れないので、契約書も交わします。
やると決めるのも、やらないと決めるのも、大きな覚悟です。どちらを選んでも、誰もその人を責めることはできません。
今日、患者さんからメールをもらいました。無事に移植を終え、着実に日が過ぎていく様子が書かれていました。(ドナーになってくれた方、ありがとうございました!)
私たちは明日も目が覚めるし、一週間後も今と同じ日常が続いていると思っているけれど、本当はそんなこと誰にもわからないのですね。命は平等に、必ず死ぬわけですが、その日まで丁寧に生きたいですね。