抗がん剤にはいろんな種類があります。髪が抜ける他にも、手足が痺れる、味がわかりにくくなる、ぼーっとする等、その副作用はいろいろです。人によって強く出たり、そうでもなかったり、個人差が大きいのも特徴的です。
抗がん剤治療=髪が抜けて、入院して、ゲーゲー吐く
というイメージがありますが、そんなこともないですよ。
ここ数年は「抗がん剤の副作用を抑える薬」がうまく使われるようになり、治療をしながら日常生活を続けられるようになりました。昔は、本当に洗面器を抱えてゲーゲー吐いていた時代があったそうです。私はそれを先輩世代から聞くだけなので、実際に見たことはないのですがかなりきつかったそうです。脱水を防ぐために点滴をしながら、しばらくの間吐き続けたそうです。
そう思うと、今の抗がん剤治療はだいぶ楽になってきました。
それでも、やっぱりちょっとした変化がでます。その一つが味覚障害です。
人間の味覚は5つの要素で出来ています。
・苦い
・甘い
・塩辛い
・酸っぱい
・うま味
(生物学的な5要素)
そのバランスで、味を認知しています。牛乳といえば、あの味。みかんといえば、あの味。
記憶の中にあるあの味は、この5つの味覚の組み合わせで出来ていますから、一つでもずれるとおかしな味になります。目で見て脳が想像した味と違うので、変な味に感じます。
抗がん剤治療の味覚障害は人により千差万別で、牛乳が苦いとか、みかんが寝ぼけた味とか、いろんな方がいます。5つの味覚のどれが鈍くなるかで感じ方はだいぶ変わるようです。
塩辛さやうま味がうまく感じられない時に料理を作ると、見た目はしっかりしていてもかなりしょっぱいとか、味が寝ぼけるとか、困った料理ができあがります。特に一家の台所を担う方は、体調もいまいちはっきりせず、味覚も寝ぼけていると困りますよ。
そんなときに活躍するのは、「~の素」「~のたれ」「~ミックス」。味が出来てて絡めるだけの商品です。楽だし、味もある程度決まっていますから失敗が少ないですよ。
また、一時的に夕食材料の宅配サービスを使う方もいます。これも、調味料までついてくるので便利だそうです。買い物にいく手間も省けて一石二鳥ですね。
食事の工夫をまとめた本も出ていますので、興味がある方は読んでみてください。
静岡県立がんセンターが作ったレシピ本
専門医のアドバイス付きのレシピ本(主婦の友)
大腸がん等で腸を切った人が食べやすい食事レシピ本(主婦の友)
これを食べるとがんが治る!という食事は残念ながら今のところありません。
なんでもバランスよく、おいしくよくかんで食べてください。食べにくいときは、無理に食べなくてもいいですよ。水分だけはこまめにとって、食べたくなる一瞬を逃さずちょこっとずつ食べてください。つわりを乗り切るのと、同じような感じです。工夫して、乗り切りたいですね。
☆こんな大きなズッキーニが100円でした。田舎なので、規格外でおいしいものが売られています。
食べても食べても減らない、魔法のズッキーニです。