脱毛したあと新しく生えてくる毛はとても美しく、きれいな毛です。でも、とても美容師泣かせです。
抗がん剤治療で髪が抜けても、脱毛症で抜けても、生えてくる毛はバージンヘアと呼ばれる美しいキューティクルに包まれた、先っぽが穂先のように細くなった毛です。赤ちゃんの髪の毛のように生え始めは細く、1cmくらいのところからしっかり大人の髪。ほんとうにきれいにキューティクルに包まれていて、痛みがなく、カラーが入りにくいです。しかも、一時的に白髪が増えてる。
強いカラー剤を使えば、色はいくらでも入ります。でもせっかく生えてきた髪の毛にダメージがありすぎてはいけない。しかも、お肌もデリケートな時期です。しっかり染めて、肌に優しく。これがなかなか難しいです。
ピアで使用しているカラー剤はお肌に近い酸性のカラー剤。お肌に優しく色も入るのですが、ちょっと暗めの色に仕上がります。生えてきた白髪まじりの毛をきれいに明るい髪色に仕上げたい、しかもお肌に優しく。お客さまのご要望カラーに近づけるために美容師さんは問屋さんに情報収集して、種類と使い方を研究してます。
今日、このなかの1本を私の髪でテストしてみました。9トーン(結構明るい)で白髪が染まってきれいに入るか?去年の9月に髪を剃って、生えてきた大事な髪はバージンヘアなので私の自毛でチャレンジ。その結果、とても明るくなりました。白髪も染まった。でも頭皮が痒い、かみが少しごわつく。というわけで、これはアウトです。また1ヶ月して新しい毛が生えてきたら、新しいカラー剤で今度はリタッチ(生えてきた部分を染めること)でテストします。私は少し肌が弱いので、ちょうどいいサンプルになれそうです。私が痒くなくて、美容師さんのお眼鏡にかなうカラー剤を探すたびは続きます。
写真ではカラーはわかりにくいですが、こんな感じです。
10年以上ぶりにこんなに明るい髪色になったので、自分の目が慣れません。人は気にしてないけど、自分は鏡を見ると「うぉっ」とびっくりしています。来週は立命館大学の授業があるので、学生さんにこの話をしてみようと思います。